[INAC神戸テゾーロ] 高円宮妃杯 JFA第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会 1回戦 試合結果
[日時]
2023年10月9日(土) 80分ゲーム 11:00 K.O
[場所]
@上野運動公園競技場
[結果]
INAC神戸テゾーロ 2−1 INAC千葉CRAVO FC
[得点]
3分:平七海
56分:失点
80分+2:野村七虹
[スターティングメンバー]
GK:宮地絢花
DF:森結愛、北村礼、鈴村璃子
MF:野村七虹、大田ありす、森川美優、小西芽衣果、定兼愛莉
FW:平七海、黒崎琉衣
[サブ]
GK:西本稀彩莉
DF:黒木咲那、河嶋杏奈
MF:下江世夏、太田朱、大島杏里
FW:青木唯奈
[交代]
HT:定兼愛莉→太田朱
62分:小西芽衣果→大島杏里
[コメント]
本日の試合はJFA第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会の1回戦となりました。
関西リーグの最終戦から約3ヶ月ぶりの公式戦に加え、負けたら終わりのトーナメントとなる試合を迎える中で、試合前に今年チームがここまで取り組んできた戦術的なことの確認と、全国大会という大きな舞台で初めてプレーする選手もいる中でのメンタル的な話をして試合に臨みました。
開始早々、緊張からくる硬さなのかボールの出し手と受け手のタイミングが合わずにビルドアップからミドルサードの部分でのボールロストが多くなります。それでも前半3分、GKの宮地が大きく前線に送ったボールをFW平が胸で収めMF大田に落とすと大田がサイドのMF小西にボールを送ります。これを小西が縦に走ったMF定兼に縦パスを入れると定兼が縦が詰まっているのを見て大田に戻します。センターライン付近でボールを受けた大田はうまくDFラインの裏をとった平に柔らかい浮き玉のパスを送ります。これを受けた平が出てきた相手GKを冷静に交わしてゴールに流し込み、先制ゴールを奪うことに成功します。早い時間にゴールを奪い落ち着いたゲーム展開にしたいとこでしたが、しっかりとブロックを作り球際もしっかりと寄せてくる相手に対してボールを失うことを怖がってしまい、プレーが慎重になりすぎてタッチ数が増えてしまい、天然芝でのパススピードとロングボールの精度も欠き、ボールは握れるもののなかなかブロックを崩すことができずに、ビルドアップにおいても長いボールが増えFWにいいボールを入れることができない時間帯が多くなります。16分、大田が中央でボールを受けると右サイドのMF野村へ展開し、野村の縦への突破からセンターリングを上げるとこれを受けた平がトラップから反転してシュートを放ちますがここはゴール右に外れてしまいます。その後は相手ブロックの外でのボール回しが増え、アタッキングサードに入れるパスの精度とパスの質・タイミングが悪くボールを持たされる時間が増え、チャンスを作れずに前半を1−0で終えます。
ハーフタイムにうまくいっていない事に対してマイナスの発言をする選手もいる中で、うまくいかない中で何をするべきなのかを話した上で、ミスを怖がらずにダイレクトのプレーを増やすこと、DFラインからのボールの質とパススピードを上げること、ブロックの中で前線がボールを引き出しながら相手の矢印の外側でボールを受けることを意識すること、2点目を奪いに行くことを話して後半に臨みました。
後半に入り少しずテンポ良くボールが前線・サイドにボールが入るようになると、アタッキングサードに入って行ける回数が増えてきます。43分にはサイドの小西に入ったボールをダイレクトでDF北村に落としたボールをダイレクトで前線の平に入れます。これを平がキープしてサイドを上がってきた小西に繋ぐとセンターリングは逆サイドまで流れますが、これをDF鈴村が中に折り返しMF森川がシュートを放ちますが、ここはうまくミートすることができず、ゴールとはなりません。その後も前線の平・黒崎・後半から入ったMF太田がボールをうまく引き出して受け、サイドを使いながらゴール前まで運びますが相手の集中した守備と、最後のパスの精度を欠きなかなか追加点を上げることができません。相手の長いボールに対してGKとDF森を中心に決定的な場面を作らせずにいましたが、56分中盤でのルーズボールを相手に拾われるとそのボールを縦に入れられサイドに展開されます。これにウィングバックが対応しますが中にカットインされてしまいペナルティエリアにボールを入れられると、1度は防ぎますがこぼれ球をペナルティエリアの角から豪快に決められ同点に追いつかれてしまいます。勝ち越しゴールを奪うために攻めに行きますが、相手の粘り強い守備と焦りからくるミスが増え、失い方が悪くなったところを逆に押し込まれる場面も増えます。後半もロスタイムに入り、PK戦に入るかと思われた80+2分、相手ゴール前でのルーズボールをMF大島と森川が相手にプレスをかけ奪うと大島から大田へと繋ぎ、大田がサイドの鈴村に展開すると鈴村はゴール前に長いボールを入れます。ここは相手にヘディングで防がれますが、こぼれ球を拾った野村が縦に仕掛けて深い位置からセンターリングを上げます黒崎には合いませんでしたが、こぼれ球を拾った平がキープし後ろから走り込んだ森川へパスを出すと、森川のミドルシュートが相手に当たり、野村の前にこぼれます。バウンドしていて難しいボールでしたが、野村がこれを抑えて振り抜きゴール右すぎへ蹴り込み試合終了間際に劇的な形で勝ち越しのゴールを奪います。 試合はこのまま終了のホイッスルを迎え、2−1での勝利となりました。
初めての全国大会を迎える選手が多くいる中で、今年チームとして取り組んできたことが出せたかというと、ブロックを作り粘り強く守備をしてくる相手に対して、長いボールが多くなったり、慎重になりすぎてボールを動かすテンポが上がらなかったり、一番拘って行ってきた技術的なミスが多かったりと、このチームの良さという部分ではできなかった部分が多かったかもしれません。 ただ、この緊張感のある負けたら終わりの試合の中でチームがうまくいかない状況でも、勝ちに拘って点を取りに行った部分、そして最後に点を取って勝ち切った選手は本当に素晴らしいと思います。
どこのチームをこの1戦にかけて1年間取り組み、必死にやってきています。試合が終わりINAC千葉の選手が涙を流しながら挨拶に来てくれた姿や勝って泣いていたテゾーロの出ていた選手、サブの選手、サポートをしてくれた選手を見て、みんなが想像を超える緊張感の中で試合を行っていたのだと改めて気付かされました。 素晴らしい対戦相手とこの大きな舞台で試合ができたこと、素晴らしい選手とこの大舞台で戦い勝利できたことに本当に感謝したいと思います。
負けたINAC千葉の分までというとありがちな言葉になりますが、対戦した相手の人たちにもテゾーロとやれて良かったと思ってもらえるように、勝てたからこそ今日出た課題や、これまでやってきた事を短い期間ではありますが整理し、明日の試合に向けた準備をしていきたいと思います。
本日も朝早くから遠くまで応援に駆けつけていただいた保護者の皆様、クラブ関係者の皆様、スクールスタッフの方、出れなくて悔しかったにも関わらずチームのサポートをしてくれた選手、選手がスムーズに試合に臨めるよう協力していただたコーチ陣、皆さんの応援・協力の力で本日の試合を勝ち切ることができました。明日も2回戦がありますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします。