「今シーズンは絶対に試合に出て活躍してやろうって思っていました」という強い気持ちを胸に、自身3年目の2025/26 SOMPO WEリーグを戦っている久保田真生。昨シーズンはケガで出遅れ5試合の出場にとどまったが、「ケガをしないように筋トレや、毎日ストレッチをするようにしています。あとは、今までは痛くてもプレーできていたので我慢してやっていました…でもプロとしてそれではダメだと思い、痛みが出てきたら我慢しないことと、酷くなる前に自分でも気付けるようになりました」とケガ防止に尽力。その甲斐あってか、今シーズンは開幕からここまでリーグ戦全11試合に出場し1得点をマーク。途中出場が多いものの、「試合の流れが悪ければ攻撃のリズムを作れるようにシュートを必ず打つ、前を向くことを意識して入っています。いい流れの時はそれを崩さないように、自分がさらに攻撃に加勢できることを意識してプレーしています」と試合に臨み、チームを支えている。
 
宮本ともみ監督が作り上げている今シーズンのサッカーについては、「体力的にはきついですが、どんどん攻撃して点を決めてもさらに得点を狙うので、観ている方たちも楽しいのではないかなと思うサッカーです」。楽しいといえば、もう一つ。「前線からのアグレッシブな守備も攻撃、みたいなことを監督が言っていたんです。それが結構自分の中で刺さったというか、『守備も攻撃なんだ！』と思って守備も楽しくなってきました(笑)」と笑顔で教えてくれた。
 
もちろん攻撃面も進化している。「昨シーズンはクロスからの攻撃が多かった中で全然前を向けず、いいプレーをあまり出せなかったのですが、今シーズンは強みであるスピードを出せて、ポケットなどを取って攻撃できているので、できることがどんどん増えていると思います」。実際に１トップやサイドを任される中で、「FWの時もサイドの時も背後に抜けることは意識してやっています。あとはサイドの時は仕掛けること、FWではボールを失わないで起点になることを使い分けています」というように、ポジションに応じたプレーで対戦チームに脅威を与えている。
 
そんな久保田に対して宮本監督は、「できることがだいぶ増えてきたと思います。ただ、パスにドリブルにシュートなど、できることが増えると選択肢も増えるので壁にぶち当たる時が来ると思いますが、そこを乗り越えてほしいですね。引き出しを増やすことがマイナスになるのではなく、さらにレベルアップした選手になってほしいです。一番期待しているのは観客を沸かすプレー。小さくまとまった選手にならないでほしいなと思います」と期待を寄せている。
 
今シーズンの目標は、「チームとしては絶対に優勝で、個人としてはまず得点を決めて、前線からの守備も頑張って、アシストもできたらいいなと思っています」。目標得点数は、「4～5点」と控えめだが、「前線の選手なので得点を決めたい気持ちは強いです」とうちなる闘志を燃やしている。
 
今節対戦するノジマステラ神奈川相模原は久保田がアウェイでプロ初ゴールを挙げた相手。「前回の対戦ではパオ（パオラ ソルデヴィラ）がセンターバックで出ていてマッチアップしたので、今回も負けたくないです！　あとはGKの(岩崎)有波が出てきた場合、有波はキックがうまいのでそこから前線にボールをつけられないようにしたいです」。対戦が２巡目に入るため難しさも出てくるが、「対策もされるとは思いますが、それに負けないように絶対に勝ちにつなげたいですし、自分は得点を決めてチームに貢献できるように頑張りたいです。この間のカップ戦は負けてしまいましたが、切り替えて、いい試合ができるようにプレーして絶対に勝つので応援よろしくお願いします！」と頼もしい。
 
クラブ公式イヤーブックの“今シーズンの目標・意気込み”に書いた「走りまくる」。その宣言どおり、走力を生かした持ち味のスピードはもちろん、相手を追い込む献身的な守備、気持ちのこもったプレーで今節も背番号19がチームの勝利に貢献してくれるはずだ。
 
【スポーツライター・金子裕希】