GAMES EYES!!
TODAY’S MATCH!! 本日の試合
INAC神戸レオネッサ I神戸 VS AC長野パルセイロ・レディース AC長野
2019/05/11 SAT 13:00
ノエビアスタジアム神戸
Today’s Focus!! 本日の試合の観どころ
さあ進出だ! 上位へ、そして「世界」へ!
ベレーザとの息詰まる熱戦から中4日。今節は同じくノエビアスタジアム神戸に、AC長野を迎え撃つ。INACは現在、7試合を終えて勝ち点11の5位。首位の浦和までは勝ち点差4と、まだまだ逆転可能な位置につけている。今日のAC長野戦と、来週のジェフ戦が終われば、リーグ戦は全チームとの対戦が一回りする。中断期間に入る前に連勝を飾って、8月末からの再開に備えたいところだ。
寸前で勝利を逃したとはいえ、前節のベレーザ戦では今シーズンを戦い抜く手応えもつかんだ。
「選手たちは90分間、しっかり走り続けることができた。首位ベレーザに対して勝ち点を取れたことを前向きに捉えたい」と話したのは鈴木俊監督。そして中島依美キャプテンは「今まで以上に、みんなが必死に粘り強さを出せた試合」と前を向いてコメント。さらに、INACTVwebで解説を務めた甲斐潤子アンバサダーは、終盤での失点の経験も踏まえて「この試合の中で、チームは成長できたと思う」と評価した。
攻撃でも守備でも慌てずに、状況をよく見てポジションを取れていたことは収穫だろう。特に仲田、牛島の左サイドに中央のプレーヤーを絡めた攻撃の組み立ては、リズミカルで迫力も備えている。ベレーザにも脅威を与えたこの攻撃は、今季のチームの特徴としてはっきりと見えてきた。
対戦相手のAC長野の顔ぶれを見ると、INACの左サイドに対応する位置にはDF原(INAC神戸レオンチーナ出身)とMF滝澤の18歳コンビが並んでいる。INACはこのエリアで、相手を翻弄する力がある。そして左のパスワークが冴えれば、相手が手薄になった右サイドで中島と高瀬の突破力も引き出される。
「左を制してゲームを制する」
これが、AC長野戦の合言葉となりそうだ。
また5月10日(金)には、女子ワールドカップに挑むなでしこジャパンのメンバー23名が発表された。そのため今日の試合は、世界へと羽ばたく選手たちを神戸で直接激励できる機会でもある。INACから選ばれた選手はもちろん、AC長野から選ばれた選手にも、私たち日本の代表としてフランスで頑張ってほしいと願います。
さあみなさん、INACは上位へ、そしてなでしこジャパンは世界へと、いよいよ進出します。
応援する準備はできましたか?
Are you ready?
まもなくキックオフです!
【文章:江橋よしのり】
Play Back!! 前試合の振り返り
2019プレナスなでしこリーグ1部 第7節
INAC神戸レオネッサ △1-1△ 日テレ・ベレーザ
【出場選手】
GK 1武仲
DF 11高瀬、5三宅、3鮫島、19牛島
MF 8杉田、6伊藤、7中島、9増矢(→15羽座)、13仲田(→28八坂)
FW14京川
【得点】
INAC:9増矢(20分)
日テレ:9田中(90+1分)
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■開催日時:2019年5月6日(月祝) 13:00キックオフ
■会場:ノエビアスタジアム神戸(兵庫県)
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大型連休の最終日。この日ノエビアスタジアム神戸に足を運んだ観客は、今季リーグ最多となる4468人(2番目に多いのはINACの開幕戦で3683人)。清々しい青空の下で繰り広げられた女子サッカーの名門対決は、お互いに譲らず1-1の引き分けとなった。
前半のINACはほぼ完璧な試合運びを披露。マイボール時は攻め急がず中盤でゲームを落ち着かせ、ひとたび相手にボールが渡れば選択肢を消し、最も危険な田中と植木に仕事をさせなかった。
すると20分、三宅からの縦パスを京川がつなぎ、最後は増矢の左足が火を噴いた。1-0としたINACの、次の見せ場は鮫島が作った。前半26分、そして後半3分にセンターバックの位置からドリブルで駆け上がり、ビッグチャンスを演出したが、いずれも追加点はならず。
後半に入り試合が進むと、ベレーザ・植木のスピードがじわじわと効き始める。INACは増矢に代えてDFの羽座を送り込み5バックで迎え撃ったのだが、終了間際に植木・田中のコンビによってゴールをこじ開けられた。
【文:江橋よしのり 写真:井上智博】
チームデータ
No. | Pos | Player | Memo |
---|---|---|---|
1 | GK | 武仲 麗依 | - |
2 | DF | 守屋 都弥 | 副キャプテン |
3 | MF | 鮫島 彩 | - |
5 | DF | 三宅 史織 | - |
6 | MF | 伊藤 美紀 | - |
7 | MF | 中島 依美 | キャプテン |
8 | MF | 杉田 妃和 | - |
9 | FW | 増矢 理花 | - |
10 | FW | 岩渕 真奈 | 副キャプテン |
11 | FW | 髙瀬 愛実 | - |
13 | MF | 仲田 歩夢 | - |
14 | FW | 京川 舞 | - |
15 | DF | 羽座 妃粋 | - |
16 | DF | 三浦 紗津紀 | 新加入 |
17 | MF | イ ミナ | - |
18 | FW | 河野 朱里 | 新加入 |
19 | DF | 牛島 理子 | - |
20 | MF | 福田 ゆい | - |
21 | GK | スタンボー 華 | - |
22 | FW | 島袋 奈美恵 | - |
23 | MF | 吉田 凪沙 | 新加入 |
24 | FW | 水野 蕗奈 | 新加入 |
26 | MF | 天野 紗 | 下部組織登録 |
28 | MF | 八坂 芽依 | 新加入 |
31 | GK | 田尻 有美 | 新加入 |
No. | Pos | Player | Memo |
---|---|---|---|
1 | GK | 池ヶ谷 夏美 | - |
2 | DF | 野口 美也 | - |
3 | DF | 五嶋 京香 | - |
4 | DF | 鈴木 里奈 | - |
5 | DF | 大河内 友貴 | 新加入 |
6 | MF | 國澤 志乃 | - |
7 | DF | 小泉 玲奈 | - |
8 | MF | 古舘 知都 | - |
9 | FW | 鈴木 陽 | - |
10 | FW | 横山 久美 | キャプテン |
11 | FW | 三谷 沙也加 | - |
13 | FW | 中村 恵実 | 新加入 |
14 | FW | 滝川 結女 | - |
15 | DF | 原 海七 | 新加入 |
16 | MF | 山岸 夢歩 | 新加入 |
17 | MF | 瀧澤 千聖 | 新加入 |
18 | MF | 濱本 まりん | 新加入 |
19 | MF | 巴月 優希 | 新加入 |
20 | MF | 大久保 舞 | - |
21 | GK | 伊藤 有里彩 | - |
22 | DF | 神津 萌 | - |
23 | FW | 川船 暁海 | - |
30 | GK | 風間 優華 | - |
FW10 岩渕真奈 (TIWABUCHI Mana)
岩渕真奈になぜ、こんなに多くの試練が訪れるのだろうか。元旦の皇后杯決勝で負傷した左足底筋の痛みが快方に向かい、「徐々にコンディションが上がってきていた」矢先の2日の浦和戦で右膝を痛めて途中交代。しかも、「レッズ戦に勝てなかったら(この先は)ない」と位置づけた大事な一戦で2連敗を止めるゴールを奪っただけに、運命のいたずらは残酷だ。
INAC神戸に加入して2シーズン目となった昨季も、思わぬアクシデントが襲った。なでしこジャパンの一員として出場した4月のアジア・カップ(ヨルダン)で大会2連覇の立役者となりMVPに選出された。しかし、大会中に鼻を骨折して帰国後に手術。上り調子だっただけに「鼻ってことある?」と本人も苦笑いする理由での戦線離脱だった。
加えて、今季は自らのプレースタイルとチームの勝利の狭間で葛藤を続けてきた。歳でなでしこジャパン入りするなど若くから認められてき武器といえば、ドリブルでの果敢な仕掛けだろう。ただ、今季はゴール前でパスを選択したり、中盤まで下がって攻撃を組み立てたりすることも多い。自らの「らしさ」よりも、チームの勝利を追求してきた。
「昔は仕掛けたらOK、良さを出してダメだったら取り返せばOKだった。今は信用してつないでくれる仲間がいて、簡単に一か八かでチャレンジするのは難しい」と言う。自らのプレーを出すことだけを追求してきた頃とは異なり、チームで副キャプテンを担うなど年齢とともに、変化してきた環境が岩渕を変えてきた。
負傷に悩まされ、ストライカーとしての葛藤とも戦う背番号「10」。この試練を乗り越えた時、エースは一段と大きな姿を見せてくれるだろう。
【文:丹下友紀子】