2024-25 WEリーグ クラシエカップ
S広島R ○1 - 0 ● INAC
12/29 SUN 13:00
国立
- 開催日時
- 2024年12月29日(日)13:00キックオフ
- 会場
- 国立競技場
- 対戦相手
- サンフレッチェ広島レジーナ
試合結果
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https://weleague.jp/matches/2024122901/
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【得点者】
⚽ 33分:上野 真実 (S広島R) ⚽
ジョルディ フェロン 監督
─ 試合を振り返って
まずはサンフレッチェ広島レジーナさんに「クラシエカップ優勝おめでとう」とお伝えしたいと思います。広島さんにとって、INAC神戸はなかなか戦いにくい相手だったと思いますが、その相手を倒しての優勝ですから素晴らしかったのではないでしょうか。試合を振り返ると、I神戸もS広島Rさんも非常に緊張した感じで、試合に入ったのではないかと思います。 特に前半においては、自分たちがやろうとしていることが、その緊張もあってうまくできなかった印象です。何が足りなかったのかと言えば、やはり攻撃面でした。サイドからの攻撃がI神戸の強みです。特に右サイドから攻撃を仕掛けられなかったです。あともう一つ足りなかったのは、中盤でのボールの繋ぎ。ボールを保持することもできていなかったと思います。プレスのかけ方は、前線からしっかりかけていこうという意識を持って守備面はできていました。S広島Rさんにボールを持たれたくなかったですし、そういった意識は前半に持っていました。そうした中で前半に失点がありました。うまく乗り切れなかったのは少し残念です。失点シーンはディフレクションでしたので、少し残念なところがありました。後半は自分たちでしっかりボールを保持しようとして、それがうまくできていました。ただ、相手のGKはしっかりうまく守っていました。後半の多くの時間帯は敵陣でプレーできていたと思います。ゴールチャンスもいくつか作れましたが、最終的にやはり点を取れなければゲームに勝つことはできません。そういった試合になったというのが私の感想です。
─後半の戦い方について教えてください。前半から何を変えようとしたのか。そして、うまくいった部分とうまくいかなかった部分を教えてください
前半はボール保持ができなかったということで、後半に変えたのは成宮唯選手のポジションを少し下げました。もう少し中盤からビルドアップができるようにと考えました。成宮選手が下がったことによって、前線のスペースは他の選手がうまく使わないといけませんが、そういった部分では久保田真生選手や愛川陽菜選手がうまく攻撃ができていたと思います。ただ、中盤のビルドアップからボールを運んで、残り3分の1のところまではボールを運べていたと思いますが、最終的にフリーでシュートを打つことができていませんでした。やはり相手のGKに対してもっと脅威を与えなければいけなかったと思いますが、それが少し足りなかった。試合の終盤、時間が経つにつれて中盤を省略したボールを入れるようになりましたが、うまくS広島Rさんに守り切られてしまったという印象を持ちました。良かった点は敵陣で長い時間プレーできて、ゴールチャンスを作れたことです。その一方でうまくいかなかった部分は、そういったチャンスを作ったにも関わらず、決め切れなかったことだと思います。
─S広島Rとは先週も対戦しました。その難しさは何かありましたでしょうか
確かに2週連続で対戦するわけですから、何かしら難しさがあったと思います。難しさもそうなのですが、お互いがどういう戦いをしてくるのか、しっかりと相手のことを勉強していますので、手の内はお互いに分かりやすいところがあります。それを防ぐために選手のローテーションを少し変えてみたりしましたし、S広島Rさんも変えていました。そういった部分を含め、お互いが手のうちを探りながらどういった戦いをするのかを考えていたと思います。とはいえ、この試合についてあえて言うならば、決勝戦ですからお互いのことをよく知っていることよりも、決勝の緊張感が先にあって、自分たちの本来のプレーができなかったことが一つ言えるのではないでしょうか。
─先ほど前半のビルドアップがうまくいかなかったとおっしゃいました。サイドへ展開するパスが少なく、縦に急いでいた印象があったのですが、その原因をどう考えていますか
その理由を私が考えても少し難しく、分からないところがあります。先ほども言ったように、やはり選手がナーバスになって、緊張感があったのではないでしょうか。パスを繋ごうという意識はあったのですが、パスミスがあったり、簡単なミスが見受けられました。今週、練習してきたのはサイド攻撃です。サイドの裏のスペースを攻撃するように求めて練習してきましたが、それをなかなか出し切れなかった前半でした。そういった中で中央を攻めていこうとしましたが、先ほども言ったようにうまく繋ぐことができませんでした。もちろん、S広島Rさんはいいチームですし、ディフェンスも良くてうまく防がれてしまっていました。もう少し落ち着いてパスを繋いでビルドアップすべきだったと思います。その部分が足りなかったので、後半に成宮選手を少し下げてボールを持てるようにしました。
DF 三宅史織 選手
─試合を振り返ってください
立ち上がりに相手がアグレッシブに来る中で、自分たちとしてはうまくいかず隙を突いていけませんでした。その中で改善しようとしていた中、(失点シーンで)シュートを打ち切るところの大切さを学びました。やはりあそこまで押し込まれたら、守るのは難しく、ただただ悔しい結果になりました。
─失点シーンはピンポイントで崩された場面でした
もちろんディフレクションというか、足に当たったという部分もありましたが、あそこで決め切る力をやはり今シーズンのS広島Rは持っていると思いました。その場面になる前に改善できる部分はあると思うので、自分たちの攻撃がうまくいかなかったところだったり、そういう部分が前半はあまり噛み合わなかったので、そこを改善していきたいです。
─その他に改善する部分はありますか
相手がボランチやセンターバックにもアプローチをしてくる中で、自分たちとしてはボランチを使ってうまく剥がしたかったのですが、そこのコースもうまく切られていました。守屋都弥選手がいる右サイドも相手はしっかり対策してきていると感じました。後半は相手が5バックになったこともあって、正直ボールを持たされていました。その中で自分たちの工夫が足りず、結果的に0点で終わったので、あの展開になった時にも自分たちが崩して点を決められるようなチームにならないといけないなと思いました。
─終盤はパワープレーで得点を狙いました
そのパワープレーで(これまでは)得点を取れていた部分がありましたが、相手もその対策をしっかりしてきて、そんなに簡単にはうまくいかなかったです。クロスボールを放り込むだけじゃなくて、どこかで誰かがドリブルなどで相手の一人を剥がすなど、そういった工夫が今の自分たちにとってはまだまだだったのかなと思います。
─クラシエカップ全体をどのように振り返りますか
準優勝という結果になりましたが、グループステージから苦しい試合が続いていたので、決勝の舞台に立てたのはすごくうれしいことでした。でもやっぱり最後に優勝して笑って終われたら良かったと思います。そこは自分たちの実力であって、相手のほうが素晴らしかったのだと思います。これが現時点での実力だと感じますし、自分たちは今後の皇后杯決勝もリーグ戦も残っていて、今日の負けの悔しさは自分たちしか味わえていないと思うので、この悔しさを次につなげたいと思います。
DF 土光真代 選手
─残念ながら準優勝となりました
2週連続で同じ相手と試合をすることはなかなかないので、お互いにその難しさや対策がそれぞれにあったと思いますが、どんな相手と何試合対戦しようが、今日も自分たちのやることというのは変わらない中で試合を迎えました。
─S広島R戦は、互いに流れの中での得点が少ない試合が続いていました
(失点シーンは)自分の対応がもう一つ前に寄せることができていたら、シュートを打たれる前に滑らなくても対応できたと思いますし、滑った結果、ボールが当たってしまって、失点につながりました。どんな形でも失点は失点ですが、90分を通してそんなにS広島Rにチャンスを作らせなかったと思います。ただ、I神戸も決定的なチャンスを多く作れたかと言うとそうではなく、相手陣内に押し込んでいたかもしれないですが、それが有効なボール回しや押し込みではなく、外回し(ゴールから遠い位置でパス回し)させられて、相手の守備にハマってしまった印象があります。ここからもう一つ上に行くには、もう少し1人ずつがどこにスペースがあって、自分が今どの判断をするのが一番正しいのかというのを見極めないと、今後も対策されたら厳しくなってくると感じています。
─クラシエカップ全体をどのように振り返りますか
グループステージを振り返るとI神戸らしく勝てた試合はほとんどなく、相手に追いつくこともI神戸の良さかもしれないですが、90分間主導権を握った試合もほとんどありませんでした。ただ、それでも決勝まで上がって来られたのは、チームとして本当に良かったです。今後は自分たちが主導権を握って90分間プレーすることをもう少し増やしていかないと、リーグ戦でも1点差の勝負になった時に、なかなか打開できない場面が増えていくと思うので、もう少しボールを保持するサッカーを積み上げたいと思います。
─皇后杯とリーグ後半戦に向けて、展望をお願いします
自分たちは常にチャレンジャーなので、今日このクラシエカップというタイトルを逃したからには、本当に残り2つ、皇后杯とWEリーグを死ぬ気で獲りに行かなきゃいけないですし、そのために選手一人ひとりがもっと考えながらプレーして、来年もいいサッカーができればと思います。
FW 愛川 陽菜 選手
─まず今日のゲームを振り返って
前半結構チャンスがあった中で決め切れなかったことがすべて。そこが一番だと思います。
─ご自身もシュートまで持っていって場面がありました。チームの中で攻撃の起点として機能していたと思います
それでも結局は決め切れなかったり、チャンスを作れなかったので、もっと練習しないといけないと感じました。
─前半はサイドを使って崩すのではなく、奪って縦に早くという形になりました
サイドを使った攻撃をやりたかったのですが、うまくできませんでした。セカンドボールを回収したり、切り替えを早くしたりの部分は、前半はすごく良かったので、陣地でプレーすることができていたと思います。
─中盤まで降りてボールを奪って、そのまま持ち上がってチャンスを作るシーンが今日はよく見られたと思います。手応えはいかがですか
全然、良くなかったです。もっと練習しないと、もっと頑張らないといけないなと思いました。数少ないチャンスをモノにできなかったので……。 前半、チャンスがあった中で決め切れなかったのが一番、自分の課題として残りました。結局、相手の数少ないシュートを決められて、それで負けてしまったので、決め切るところで決めないと試合に勝てないというのを痛感しました。
─大会全体を振り返っての感想もお願いします
難しい試合もありましたが、決勝まで来られたのは良かったです。ただ、最後に勝ち切れなかったことがすごく心残りです。
─今シーズン初めに「田中美南さんみたいに、チームのためにできることをどんどん増やしていきたい」という言葉がありました。今日、田中美南さんがいらっしゃっていました。何か声を掛けられたりしましたか
今さっき「お疲れっ!」という言葉をもらいました。「よく頑張ったね」と言ってもらえたので、また頑張りたいなと思いました。攻撃の選手なので、やはり結果が求められる中で、もっと貪欲に狙っていかないといけないと感じています。本当に、その決定力不足はすごく自分の中でも課題としてあるので、改善していきたいと思います。
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【次節 試合日程のお知らせ】
皇后杯 JFA 第46回全日本女子サッカー選手権大会「準決勝」
開催日時:2025年1月18日(土)14:00キックオフ
会場:サンガスタジアム by KYOCERA
対戦相手:三菱重工浦和レッズレディース