皇后杯 JFA 第47回全日本女子サッカー選手権大会
伊賀FC
●
1
-
3 ○
INAC神戸
12/14 SUN 14:00
サンガS
- 開催日時
- 2025年12月14日(日)14:00キックオフ
- 会場
- サンガスタジアム by KYOCERA
- 対戦相手
- 伊賀FCくノ一三重
試合結果
▼試合結果の詳細は、JFA公式サイトをチェック!
https://www.jfa.jp/match/empressscup_2025/match_page/m45.html
▼公式X(@inac_kobe2001)で試合中に随時更新しているデータをまとめて掲載

【得点者】
⚽50分 正野瑠菜(伊賀FC)
⚽65分 太田美月(I神戸) 
⚽75分 髙瀬愛実(I神戸) 
⚽89分 吉田莉胡(I神戸) 
監督コメント
宮本ともみ 監督
◾︎試合の総括をお願いします。
この一週間、しっかり伊賀FCさんのサッカーを分析したうえで、自分たちがやるべきことは前半からできていました。先に失点しましたが、90分間やり通した選手たちは素晴らしいと思います。準備段階でのスタッフの分析、セットプレーの準備、そういったところを含めて先発メンバーをはじめ選手全員に感謝したいと思います。
(以下、質疑応答)
◾︎なかなか流れの中で崩し切れずに失点し、その後にセットプレーから2得点という形になりました。どのように評価されていますか?
前半から狙った形でシュートまでいけていたと思います。ですが、なかなか決め切ることができませんでした。失点シーンはしっかりと振り返って、映像を見ながら反省していきたいです。セットプレーは私たちが強みにしている部分です。攻撃ではどんどん相手の背後を突いていき、その中でセットプレーをたくさん取っていくことは自分たちが目指している形です。チャンスをしっかり作れていると思いますし、リーグ戦でもセットプレーからの得点は多いです。選手一人ひとりが自信を持ってできていると思います。相手のウィークポイントを突いたセットプレーのデザインや狙いは、スタッフを含めて本当に素晴らしいと感じています。
◾︎若手の太田美月選手とベテランの髙瀬愛実選手が頭でしっかり決めました。この2選手についてどう評価されていますか?
1点目は準備していた形でした。あれほどうまくいくとは思っていなかったのですが、あの場面で決め切る力は、太田選手のストロングポイントです。ヘディング能力が高く、その力をあの場面でしっかり出してくれました。若い選手ですが、落ち着いてプレーできていますし、今日の試合に限らず、しっかりやってくれています。また、髙瀬選手については、途中出場になりましたが、得点を取ることを一番期待している中で、得点を取ることにこだわりながらプレーしてくれました。あの場面で決め切ったのは、彼女のこれまでの努力の賜物だと思います。本当に感謝しています。
◾︎水野蕗奈選手が序盤でケガをしました。少しケガ人が相次いでいますが、その中でも苦しい試合を勝ち切ったことの意味について教えてください。
先週の皇后杯の準々決勝でも、立ち上がりすぐにケガ人が出てしまいました。そういった意味では少し免疫ができていたというか、自分としても経験を生かして対応できたのかなと思います。これだけケガ人が続くと、来週にWEリーグの試合を控えていて、並行して戦っていく中でかなり難しくなってきます。ただ、代わって入った選手は落ち着いてプレーできていました。リーグ戦では出場機会の少ない選手や、若い選手も躍動することができています。それはトレーニングからしっかり積み上げられているということだと思います。チーム状態としては難しくなってきますが、それによってチャンスを得る選手もいますので、そういった選手に自信を持ってやってもらいたいと思います。
◾︎宮本監督ご自身が現役時代に長く過ごした伊賀FCと戦いました。どういう思いがありましたか?
正直すごくプレッシャーを感じていました。カテゴリーの違いもありますし、絶対に負けられないと思いながら、自分にプレッシャーをかけながら一週間を準備しました。プレシーズンに試合をして負けてしまったことも、プレッシャーになっていましたし、皇后杯という一発勝負のトーナメントで三菱重工浦和レッズレディースなどを倒して勝ち上がってきた勢いのあるチームですから、怖さはありました。私自身の古巣ということで、知っているスタッフがいたり、観客席にも知っている顔があったり、そういった部分でのやりづらさやプレッシャーもありました。その中で、自分が選手として成長させていただいたクラブに、自分が指導者として成長した姿を見てもらえるいい機会でもあったので、こういった舞台で戦えたことは自分自身、本当に幸せだなと思います。
◾︎決勝の相手はサンフレッチェ広島レジーナです。リーグ戦とリーグカップ戦では敗れている相手ですが、広島の強みをどういう部分に感じているか、またどういう部分が試合のポイントになりそうか、展望を聞かせてください。
広島さんは中盤にすごく粘り強く守備ができる選手がいます。INAC神戸としても中盤の選手の連続した動きや、プレスの強度は強みにしていますので、そういった球際のせめぎ合い、どちらがボールを奪うか、相手の粘りに勝っていけるか、どちらが心が折れるか、そういう我慢比べの戦いになるのではないかと思っています。リーグ戦とリーグカップ戦で敗れた時は、そういった部分が全然足りていなかったと感じました。思い切って前からプレッシングに来る相手で、その強みをこちらが受けてしまうとやっぱり広島さんに主導権を握られてしまいます。そういった意味では特にビルドアップのところを整理していきたいと考えています。プレスに来る相手を裏返すことができれば、自分たちの強みを出せるはずなので、しっかり準備していきたいと思います。
◾︎皇后杯決勝戦の前に、来週はリーグ戦でセレッソ大阪ヤンマーレディースと対戦します。選手たちにどうアプローチしますか?
先ほど、選手と一緒に今日のゲームを振り返りながら締めのミーティングをしました。今日の勝利で浮かれてしまって、今週にやるべきことができないと全く意味がないと思います。しっかり切り替えることを選手には要求しました。私たちは皇后杯を獲ることだけではなく、三冠が目標です。今は何も手にしていません。もう一度、気を引き締め直すことはすごく大事になってくると思っています。しっかり切り替えることと、今日はピッチに足を取られる選手がいたりして、疲労も大きいと思いますので、まずはリフレッシュをして、いい状態で来週の試合に臨みたいと思っています。
選手コメント
GK 戸梶有野里 選手
◾︎勝利を収めて、決勝進出を決めました。今の率直な気持ちを教えてください。
まずはカテゴリーに関係なく試合に挑むという気持ちでしたし、緩みが一切でないように取り組んだ中で、しっかり勝って終われて良かったと思います。
◾︎先制されて苦しい展開にもなりましたが、改めて今日の試合を振り返っていただけますか?
何がなんでも勝ちに来る相手の勢いだったり、そういうところを自分たちは冷静に打開しないといけなかったのですが、あまりうまくいかない時間帯に攻め込まれたと思います。そうならないように、もっと相手を上回る準備だったり、技術だったりというのは、まだまだ全員で高めていかないといけません。そういうシーンが今日は多かったと思います。
◾︎後半に1失点しましたが、前半、思い切り前に出て相手のチャンスの芽を摘んだシーンもありました。
あれは自分からのパスで(大熊)環が引っかかってしまったので、前に出るしかないという感じでした。(三宅)史織さんも(太田)美月も後ろのカバーをしてくれていることも分かっていたので、安心して自分は突っ込めたシーンでした。
◾︎自身が出た試合でなかなか勝てないと悩んでいた時期もあった中で、こうして皇后杯で勝利を重ねられたのは自信になりますか?
そうですね。先週の試合前はすごくコンディションが良かったので、今週もそのコンディションを持って行くぞ、という気持ちで臨み、そのまま勝利につなげることができて良かったと思います。
◾︎2大会ぶりの決勝に向けての意気込みもお願いします。
リーグでもリーグカップでも負けている相手なので、よりみんなの気持ちも高まっていると思います。広島さんも自信を持ってプレーしてくると思うので、絶対に勝てるようにみんなでいい準備をしたいと思います。
DF 三宅史織 選手
◾︎カテゴリーの違う相手との対戦で難しさもあったと思いますが、今日の試合についての感想を教えてください。
やってみないと分からない部分もあるので、お互いに難しかったと思います。映像では分からない相手のうまさや強さを肌で体感しましたし、相手が少し守備のはめ方を変えてきたイメージもありました。その中で自分たちが焦れずに、失点しないで試合を進められたら良かったなという反省はあります。ただ、失点の時間帯が早かったので、自分としては「まだ時間がある」と思っていました。もちろん失点は反省しなければいけないですけど、引きずっていても90分はすぐに終わってしまうので、切り替えて、慌てないで――という話をしていました。今シーズンは点も取れていますし、このままゼロで終わることはないと思いつつ、でも2失点目は絶対に許さないという気持ちでいました。
◾︎先制は許したものの、その後、セットプレーから2得点、流れの中で1得点と3-1で勝利を収めました。チームの強さを感じたところはありますか?
このまま終わるにはいかない、という気持ちがありました。セットプレーは自分たちの強みでもありますし、用意してきたものがしっかりとできたイメージもあるので、武器にしているセットプレーで点が取れたのは大きいです。流れからの得点をもっと増やしたいですが、苦しい時にいろいろな選手がセットプレーで点が取れるのはチームの強みだと思います。
◾︎ケガ人が出るなどアクシデントもあった中で、それを乗り越えて2大会ぶりの決勝に駒を進めました。
誰が出てもINACらしいサッカーができるというところは強みだと思います。この前も(山本)摩也さんがケガをするなどいろいろありましたが、ケガは防ぎようがないので。そのあとに出てきた選手がやらなければいけないことをやってくれましたし、そういったアクシデントをみんなで乗り越えて決勝に行けたというのは一つ成長できたのではないかなと思います。
◾︎決勝への意気込みを聞かせてください。
リーグ戦もありますが、目の前の試合に勝たないといけないのは変わりないので、リーグ戦も勝たないといけないと思っています。そして決勝は元旦、国立競技場というなかなかない機会なので、楽しみながらもリベンジしたいと思っています。広島さんには今シーズン勝っていないので、国立の決勝でリベンジできる可能性があることはすごくうれしく思いますし、頑張りたいと思います。
FW 吉田莉胡 選手
◾︎試合を振り返っての感想を教えてください。
相手がすごい勢いを持って試合に入ってくるというのは予想していて、そこに対して受け身にならずに前から行こうという話をしていました。自分たちのサッカーを貫くというところはできたと思いますが、なかなか難しいゲーム展開になりました。自分もあまりボールを収めることができず、不調かなと思ったのですが、最後、どうにかみんなが意地を見せて勝ったゲームかなと思います。
◾︎後半の早い時間帯に先制された中で、攻撃陣としてはどんな気持ちで戦っていましたか?
先に相手に得点を許してしまいましたが、時間もたくさんあったので「大丈夫だろう」と、みんな落ち着いていたと思います。
◾︎その中でセットプレーから2ゴールを挙げ、吉田選手は3点目を決めました。簡単なゴールではなかったと思いますが、振り返っていただけますか?
味方がうまくあそこまでつないでくれましたが、相手のセンターバックが代わって入ったばかりの選手だったので、まだゲームに慣れていないだろうと思ってプレッシャーに行ったら、ボールが取れました。今日はシュートを何本か外していたので最後は少し緊張しましたが、決まって良かったです。
◾︎ご自身にとって、ゴールを取って試合を終われたことは大きいですか?
大きかったです。味方が点を取ってくれて2-1の状況でしたが、最後にもう1回自分にチャンスが来るだろうと信じてプレーしていました。今日は他のプレーがあまり良くなかったのですが、最後、FWとして結果を出せて良かったと思います。
FW 髙瀬愛実 選手
◾︎ゴールシーンを振り返ってください。
あそこにいたらボールが来たので良かったです。シュートを打つかなと思っていたのですが、自分のところに向かってきたので、触れれば入るかなと。点を取れるところに入れるのは良いことだと思うので良かったです。
◾︎それは経験がなせる業なのでしょうか?
どうなんですかね(笑)でも、自分のストロングの一つとして、ボールの来そうなところにいる、というのはあると思うので、それを出せて良かったです。
◾︎太田選手が同点ゴール決めたことで、試合に入りやすかった面もありますか?
すごく入りやすかったです。(同点になって)ホッとしましたし、1点返してくれたのは大きかったです。その勢いに乗って自分と(小峠)明日香はピッチに立つことができたので、あの1点は途中から出る選手にとってもすごく大きかったです。
◾︎改めて決勝点を決めた感想を教えてください。
ラッキーって感じですね(笑)本当にそれまでみんながバチバチ戦ってくれて、そういうプレッシャーを相手が感じている中で出られるのは途中から出場する選手の強みだと思います。チーム一丸で戦った結果、最終的に自分が取れたということだと思います。
◾︎タイトルまであと一つになりました。決勝に向けての意気込みも聞かせてください。
タイトルを獲るために毎日厳しい練習をしているので、決勝に駒を進められたのは良かったです。元旦決勝に進めてホッとしていますが、それ以上に元旦に勝ちたい気持ちのほうがすごく強いので、それに向けてまたしっかり準備してタイトルを獲りたいと思います。
